FC2ブログ
昨日の記事の終わりにちらっと触れた、アルバータ州議会総選挙の結果。

投票前に何度も行われていた世論調査で、進歩保守党を上回る結果が出ていた最右翼ワイルドローズ党だが、狙っていた政権交代には至らなかった。しかも、予想していた接戦にもならず、結果は進歩保守党、過半数超えの安定政権となった。ただし、ワイルドローズはこれまでたった4(うち3議席は元進歩保守党議員)だった議席数を17まで増やし、野党第一党へ昇格。
進歩保守党政権は今後4年間続き、計44年と、カナダ史上最も長い政権となる。

投票率は51%。41%で史上最低投票率を記録した2008年から10%アップ。
それでもたった半分しか投票しなかったとも言えるが、今回の選挙がこれまでと比べて有権者にとって感心が高かったのが伺える。

政党別の最終獲得議席数は、
進歩保守党 61
ワイルドローズ党 17
自由党  5
新民主党 4 

今回の結果で、選挙前の世論調査が完全に外れたことは多くの人にとって驚きだったが、投票日までどこに投票するかの決断が付かなかった有権者の数が多かったのも、投票結果に影響を与えた一因。
ワイルドローズ党は、選挙2、3週間前には支持率、寄付金額共に進歩保守党を上回る勢いだったにも関わらず、最終的に議席数は過半数に大きく満たなかった。それは、最後の1週間でにじみ出て来た立候補者の偏った物の見方や、そんな候補者を除名するどころか擁護した、リーダーのダニエル・スミスの環境問題への意見、医療の私立化や州民全てに300ドルの還付金などの政策に疑問を感じた有権者が多かったからだと言われている。

因にこの還付金、2006年に当時知事だったラルフ・クラインが実行している。囚人を除いた赤ちゃんから老人までの全ての州民に400ドルの還付金。私も受け取りました。
当時は景気が良く、金が余っていた訳だけれど、その余った金でもっと社会福祉や学校などの公共事業を充実させられるはず、との批判も出た。
この還付金は、『Ralph Buck(ラルフ・バック)』(Buckとはドルのことで、金を表す)と呼ばれているが、ラルフ・クラインを尊敬していたというダニエル・スミスは、同じように州民への300ドルの還付金を公約に上げていた。しかし特に2006年と比べて景気が良いとは言えない現在、教育や医療の場で予算不足にあえいでいるということもあり、この『Dani Back(ダニ・バック)』、好景気時の『Ralph Buck(ラルフ・バック)』ほどの有り難みはなく、有権者票を金で買おうとしていなど、批判する人は多かった。



さて、こちらは選挙結果を各当選議席で表したアルバータ地図。
選挙
青が進歩保守党、緑がワイルドローズ、オレンジに見える赤が自由党、カーキに見えるオレンジが新民主党。
面白い程に支持層がくっきりと別れている。ワイルドローズ党は南アルバータの田舎にて圧倒的に当選しているが、同じ南でもレスブリッジやレッドディアー、カルガリーなどの都市部ではほぼ落選。
また、ファーストネイション・コミュニティーの多いアルバータ中部北部でワイルドローズが当選出来なかったのは、オイルサンズの早期開発への環境汚染に対し不安を感じた住民が多かったから、というのもあるかもしれない。
比較的強いと思われたカルガリーでは、たった1議席獲得、エドモントンに至っては、ゼロ。
2議席増やしての4議席となった新民主党の議員は全員エドモントンから。州都エドモントンはアルバータで最も革新的な都市である。


エドモントンでワイルドローズが敬遠されたのは、二人の牧師候補者の『同性愛者は死後も永遠に火の海で焼かれる』や『白人ならば全ての民が耳を傾ける』などの、アンチ・ゲイ、宗教/人種差別的発言が大きく影響したためと思われる。因に二人とも大きく差を付けて落選。
また、ダニエル・スミスがエドモントン市内空港問題を再び持ち出したこと(これは市内でもかなりもめて議会投票で閉鎖が決まったことなのに、再び持ち出そうとしたため、エドモントニアンからは古傷掘り起こしと言われていた)、ロイヤルアルバータ博物館の新設や市内鉄道の路線延長への消極的な姿勢も不人気へ繋がった。


各党首の顔ぶれ。
選挙
左が進歩保守党アリソン・レッドフォード、その隣は時計回りでワイルドローズ党のダニエル・スミス、自由党のラジ・シャーマン、新民主党のブライアン・メイソン、アルバータ党のグレン・テイラー。


選挙
勝利に歓喜のアリソン・レッドフォード。
州民に選ばれたアルバータ初の女性知事。
選挙戦最後まで前向きに『進歩』を訴え続けた効果もあり、と言われているように、ワイルドローズに勝たせたく無い自由党や新民主党などの中道・革新系有権者の多くが、『進歩』に誘われて今回保守党に投票したと言われている。
進歩で保守。矛盾しているようではありますが...。


選挙
キャンペーン中のダニエル・スミス。夫と共にシーク教のコミュニティーで食事。
ちっとも嬉しそうじゃないシーク教の男性と、その男性に、妻のために仕方なく来ました風に座り、異物を見る様にガンを飛ばしている夫に挟まれ、カレーにパクつくダニエル・スミス。

前回の記事でのパンジャビ・コミュニティーもそうだけれど、シーク教の方々は、果たしてワイルドローズに投票したんでしょうか....?


アリソン・レッドフォードには、支持していないけれどワイルドローズを負かすためにと思って投票した人も多くいることを念頭に、良い政治で頑張ってもらいたいと思います。

ブログランキング・にほんブログ村へ ブログランキングバナー
スポンサーサイト



  
コメント

候補者は沢山居るのに、たった二人の言動を取り上げて党全体がそう思われるなんて、そういうマスコミも間違っていると、開き直っていました。ああいう人達を候補に立て、あくまでも養護することが党首としての考えを物語っています。

Mixi以前も誘われたことありますが、携帯電話がないと登録できないため、まあいいやという感じです。
お誘いありがとうございます。
Akitanic│URL│04/26 20:39│編集

大統領制なら、スミス個人の魅力で当選できるのでしょうが、議院内閣制だから、自分だけでなく党内から多くの当選者を出さないと、首相になれません。
スミスの党首選勝利から、総選挙まで時間はたっぷりあったのだから、候補者をじっくり選ぶ時間はあったはずです。にもかかわらず、不適切な候補を擁立するようだと、選考をきちんとやってないのか、それとも不適切だと思っていないのでしょうか。普通の政党は、予備選を行っているはずですが、ワイルドローズは党首はともかく、組織としてなってないように思えます。
政党である以上、誰が党首であっても、党のポリシーがある程度不動のものとして確立されているはずですが、ワイルドローズは新党だから、そのときどきのリーダーによってどうにでもできたのかもしれません。
高橋│URL│04/25 05:46│編集
コメントする












 管理者にだけ表示を許可する?

トラックバック
トラックバックURL
→http://kuruchin.blog11.fc2.com/tb.php/496-b5ad7732
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)


まとめteみた.【アルバータ州議会総選挙の最終結果】
昨日の記事の終わりにちらっと触れた、アルバータ州議会総選挙の結果。投票前に何度も行われていた世論調査で、進歩保守党を上回る結果が出ていた最右翼ワイルドローズ党だが、狙っていた政権交代には至らなかった。しかも、予想していた接戦にもならず、結果は進歩保守党...