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ハミルトンのダウンタウンにある、ハミルトン美術館(Art Gallery of Hamilton)

ハミルトン美術館
2005年に改装再オープンしたこの美術館、正直予想以上に良かった。

現在開催中の、アルバータ生まれのウクライナ系カナダ人画家、ウィリアム・クレレク(William Kurelek)の個展『メッセンジャー』は面白い。
ウクライナ移民だったクレレクの両親は、不況でアルバータの穀物農場を失い、家族はマニトバの酪農家へ移る。働き者の両親の反対をよそに、子供の頃から美術に興味があったクレレクは、トロントとメキシコにてアートを学んだ。その後20代でイギリスへ渡航するが、鬱病に悩まされロンドンで入院。4年程の闘病生活の合間も、クレレクは絵を描き続けた。
元ウクライナ正教徒だったクレレクは、闘病後ローマ・カトリック教会へ改宗し、多くのキリストテーマの作品を描いた。

『メッセンジャー』ではクレレクの幅広い作品群を堪能できる。
幼少の頃の体験、ウクライナ移民としての暮らし、アルバータやマニトバでの農耕生活、鬱病に苦しむ自己、キリスト教絵画、そして冷戦の恐怖など。
時にナーブに、フォークアート風にも見えるクレレクの作品は、ボッシュやブリューゲルを連想させる。
そして、カラフルに明るく描いているにも関わらず、表現は一貫して暗いという印象を受けるが、じっくり観る程絵が語りかけて来るような作品だ。

ハミルトン美術館
ウクライナ開拓民シリーズの一点。


ハミルトン美術館
冷戦の恐怖系。


他に開催中の展覧会は、
ハミルトン美術館
クリスティン・ビョーネルド(Kristin Bjornerud)、水彩のドローイング展。
こちらも割と面白い。パッと見あっさりとしているけれど、人物の洋服の模様とか、髪の毛とかかなり執着して描いている。


その他に、
ハミルトン美術館
マーク・ルイス(Mark Lewis)のビデオ作品や、他の企画展もやっていた。


こちらは美術館の収蔵作品で、
ハミルトン美術館
キム・アダムス(Kim Adams)の『ブリューゲル - ボッシュ バス』。
この人は、1月末にアルバータ美術館で観たクリス・ミラーが影響を受けているアーチストではないかと言われています。


ハミルトン美術館の2階にはアフリカの美術・工芸品のコレクションもあり、こちらは無料。2階は全体的に無料な様です。


改装したアルバータ美術館に比べて、地味な外観のハミルトン美術館。しかし展示スペースはギャラリーの数も多くて入館料に満足出来る内容。
収蔵品や企画展も面白いです。
ハミルトンはエドモントンの半分くらいの規模の都市だけれど、美術館では勝ち!といったところ。
エドモントンのアルバータ美術館も、外装ばかりを気にしている場合ではありません。コレクションの充実と質の良い展覧会が今後も続く事を願います。


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